寝る前になると、ついスマホで“ペットロス どうすればいい”と検索してしまう。
知恵袋、まとめサイト、カウンセラーのコラム──役に立つ情報はたくさんある。
それでも心が落ち着かないのは、文字じゃなくて“あの音”が恋しいからかもしれません。
規則的で、でもちょっと変な寝息
愛犬の寝息って、ただの呼吸音じゃないんですよね。
スースー…と静かな音のときもあれば、鼻が鳴るみたいに「フンッ」って一瞬詰まったような音がしたり。
ときには寝言みたいな「クゥーン」って声が漏れたり。
それがなんとも可愛くて、“寝息を聞いている時間”が、いちばん安心できる時間だったなと思うんです。
人間の子どもと同じ?寝息にも性格が出る
動物行動学の研究では、犬の寝息や寝姿勢には、その子の性格やストレス状態が表れることがあるとされています。
たとえば、丸まって眠る犬は警戒心が強いタイプが多く、へそ天(仰向け)で寝る子は安心しきっている証拠。
また、深い眠りに入っているときは、呼吸もより穏やかで一定になりやすく、その音もまるで“お経のように”一定のリズムで続きます。
つまり、寝息が聞こえるということは、安心してそばにいてくれている証そのものだったんです。
「静かすぎる夜」が、こんなにもつらいなんて
今の夜は、テレビを消してしまうと、本当に静か。
かつては「静かだな」と思っても、どこかから聞こえる小さな呼吸音が、その静けさをやわらげてくれていました。
その音がなくなったとき、初めて“無音”の重さに気づくんです。
実はその頃、どうしてもあの子の気配が恋しくて、アニマルリーディングを受けてみたことがあります。
ココナラで一番人気の先生でしたが、最初は「こんな気持ちを誰かに話すなんて」と戸惑いもありました。
それに、正直、プロフィール写真を見たときは霊能者というよりバイク好きの兄ちゃん?という印象で、「えっ本当にこの人に?」と思ったのを覚えています。
それでも、心のどこかで“あの音”を確かめたかったんです。
鑑定が始まって、先生が開口一番こう言ったんです。
「寝てるとき、鼻が詰まったみたいな音、してましたよね。あの子、あれ気にしてたみたいですよ。起きたあとに何度も鼻を鳴らしてる様子が見えました」
それを聞いたとき、思わず息が止まりました。
たしかにあの子、寝てるときに“スンッ、スンッ”と詰まったような音を出していて、起きたあとには何度も「フンッ」って鼻を鳴らしてたんです。
「変なクセだなあ」って思ってたけど、まさかそんな細かいことまで伝わるなんて…。
それだけで、「あの音はただの寝息じゃなかったんだ」って、何かが腑に落ちた気がしました。
私は泣きそうになりました。
寝息なんて、誰にも話していなかったのに、もう涙が止まりませんでした。
あのスースーとした音も、「フンッ」と鳴るくしゃみみたいな寝息も、全部に愛おしさを思い出して、音が消えた夜にようやく“意味”が戻った気がしたんです。
心に残る音って、記録できない
スマホの中には写真も動画も残っているけど、 「寝息の音だけをちゃんと録音しておけばよかった」と、何度も思いました。
他愛もない呼吸の音。
あのときは当たり前すぎて、記録しようなんて考えもしなかった。
だけど今は、その音を思い出そうとしても、完全には再現できない自分が悔しくなる。
本当に心に残る音って、耳じゃなくて、感情で聴いていたんだなと思います。
癒しは“情報”じゃなくて“存在”だった
知恵袋にある言葉が、救ってくれることもあります。 けれど、やっぱり私にとっての癒しは、
「生きてそこにいてくれる」という実感と、あの子が立てていた音の全部でした。
寝息だけじゃなく、伸びをするときの小さな声。
ごはんを食べた後、満足そうに吐くため息。
そういう音に囲まれていたあの頃が、 いちばん穏やかで、何より満たされていた時間だったのかもしれません。

